増刊|コミック無責任&文芸たぶん

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ノート

ひとふで小説|レンガイケッコン(9)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン)

(9)

 カン!とした、乾いたチリトリの落ちた音を、エントランスが幾重かに響かせる。
 蓮本は持ってきた書き置き用のメモをくしゃくしゃにポケットへ突っ込みながら東之に駆け寄って、チリトリを拾ったついでに重そうなゴミ袋もやや強引に引き取った。
「あ、いいですいいです!汚いですよ!ごめんなさい!」
「だ、大丈夫ですか?痛かったですよね、今のは。転ばなく

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ひとふで小説|レンガイケッコン(3)

これまでのお話:(1)(2)

(3)

 昨晩、翌日の打ち合わせに備えて早寝するつもりだった蓮本のスマートフォンが、寝る支度を始めた頃に通知を鳴らしたので、仕事の用件か、一度「おやすみ」のメッセージを交わして寝たはずの彼が起きたのかと思って開いたら、電子書店のアプリが放った「読書ポイントの有効期限があと半日で切れます」というアラートだった。
 ポイントなんかすっかり忘れていたくらいだから知らぬ間

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ひとふで小説|レンガイケッコン(1)

(1)

「恋愛を結婚と繋げよう、というのがそもそも無理があるんじゃないかと思ったんですよね」
 壇上で話す女性は、気位の高そうな仕立てのいいジャケットを、しゃきっと着こなしている。羽織っている、でもないし、着ている、でもない。しゃきっと着こなしている。
 柔らかな髪が肩にもたれながら胸元に落ち、鎖骨のところどころを隠していた。時折体勢を変えると、そのたび首元のネックレスが照明にキラキラと反射する

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