増刊|コミック無責任&文芸たぶん

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ひとふで小説|レンガイケッコン(16)

これまでのお話:第1話/収録マガジン(前回まで) (16) 「管理人さんシートベルト、しました?大丈夫ですか?」 「あ!は、はいっ!はいっ!帰りは大丈夫です!さっきは、緊張しちゃって、ははは」 「帰り?行きもシートベルトちゃんとしてましたよ?」 「あ、あ、そっか、西関さんは気付いてないですよね、ごめんなさい、恥ずかしいから余計なこと言わなきゃ良かったな。実は来る道では乗る時に緊張しちゃってシートベルトうまくいかなくて、高級車はシートベルトも難しいな、全然はまらないなとか思っ

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ひとふで小説|レンガイケッコン(15)

これまでのお話:第1話/収録マガジン(前回まで) (15)  運転席に乗り込もうとした蓮本は思い出したように身を引き、前を半ドアにしたまま後部座席のドアも開ける。後ろにスーパーの袋を置きながら、 「お荷物、邪魔だったら後ろも自由に使ってくださいね」  と言った。 「ありがとうございます、でも大丈夫です。そんなに多くないですから」  汁気が漏れ出る虞れのある物は袋に入っていないから後部座席に荷物を置いたところで蓮本にかかる迷惑は恐らくないのだろうが、どうしても、の理由でもない

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ひとふで小説|レンガイケッコン(14)

これまでのお話:第1話/収録マガジン(前回まで) (14) 駐車券を誰が持っているか忘れているのだろう、精算機の前で立っている蓮本の表情はみるみる翳っていく。 「…管理人さん…私もしかしたら…」 「駐車券ですよね?」  徐に顔を上げた蓮本は隣に立つ東之を振り返って首を縦に振ると、今から涙目になる用意が整った顔をして、普段より上ずった声で言った。 「そう…!どうしよう、駐車券なくしちゃったかも…紛失した時ってどうするんだろう、初めて失くしたから…管理事務所に電話すればいいの?

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ひとふで小説|レンガイケッコン(12)

これまでのお話:前回/第1話/収録マガジン (12)  汁気の多いカツ丼のためにビニール袋を1枚だけロールから捥いだ蓮本は、軽く苦笑のような溜息をついた。 「このビニール袋も、レジ脇に設置して必要な枚数を売ってくれればいいんじゃないかな。お金を払った利用者へのホスピタリティ的な設置なんだろうけど、タダじゃないんだし」  溜息は、ビニール袋を過剰に持ち帰る迷惑客の存在に対する落胆が主な理由。苦笑は、ポスターに書かれた文言をうまく面白がれなかったこと、もとい、東之と笑うタイミン

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犬の一生(3)

第3ワン 「飼い主の都合を覚えるちょっと前の犬」 ●今回の犬● みやもり ボス(メス) そのうちきっと大型になる子犬。秋田犬の雑種。ソウルフードは四角い子犬用のカリカリ。 ●今回の犬● みなもと タタンタ(メス) 大人になったら多分中型になる甲斐犬の雑種。ソウルフードは丸のような四角のような小粒のカリカリ。 ●今回の犬● どま クロワッサンパン(オス) とろふわな肌触りのシバイヌ。ソウルフードは四角い缶に詰まっている野菜とお肉が混ざったテリーヌみたいなもの。 *この漫

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