これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン) (6) 世界を真っ二つに分けたとして、蓮本は虫が平気な人材側の所属であることを自負している。 あらゆる種類のムシが平気というわけではないし、興味や可愛いげを感じて愛でることもないが、それでも何の気無しに飼育できた程度には平気だ。 …
これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン) (5) 自分に対してさえ『恋外結婚』を明確に定義づけることはできていなかったが、とにかく蓮本は、どうにか東之と親しくなれないかを考え続けている。 惰性で飲み続けた紅茶はもう三杯目、悩んでいる時の蓮本はいつもこうだった。1箱100杯299円…
これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン) (4) 起き抜けの紅茶を啜りながら、蓮本は考え込んでいた。大問題は、“どう『結婚』を申し込むか” である。よくは知らない相手に、唐突に、しかも同性が。 きっと「女同士の話」と言っても異なる意味で取られるに違いないので、異性同士で言う…