増刊|コミック無責任&文芸たぶん

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ひとふで小説|レンガイケッコン(6)

ひとふで小説|レンガイケッコン(6)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン) (6)  世界を真っ二つに分けたとして、蓮本は虫が平気な人材側の所属であることを自負している。  あらゆる種類のムシが平気というわけではないし、興味や可愛いげを感じて愛でることもないが、それでも何の気無しに飼育できた程度には平気だ。  カブトムシ各種、クワガタムシ各種、テントウムシ各種、トンボ各種は幼少期に採集した成り行きで飼ったことがある。尤も、ここで言う「飼った」というのは本格的な昆虫愛好家のそれではなく「子供が想像力の

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ひとふで小説|レンガイケッコン(5)

ひとふで小説|レンガイケッコン(5)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン) (5)  自分に対してさえ『恋外結婚』を明確に定義づけることはできていなかったが、とにかく蓮本は、どうにか東之と親しくなれないかを考え続けている。  惰性で飲み続けた紅茶はもう三杯目、悩んでいる時の蓮本はいつもこうだった。1箱100杯299円。計算上は1杯約3円になるはずだが、同じティーバッグで淹れ続けたので紅茶の外箱に書かれた売り文句の計算は既に狂わされている。  蓮本は決して世に言う“ケチ”ではなかったが、こだわりが強かっ

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ひとふで小説|レンガイケッコン(4)

ひとふで小説|レンガイケッコン(4)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン) (4)  起き抜けの紅茶を啜りながら、蓮本は考え込んでいた。大問題は、“どう『結婚』を申し込むか” である。よくは知らない相手に、唐突に、しかも同性が。  きっと「女同士の話」と言っても異なる意味で取られるに違いないので、異性同士で言うところの「男女のこと」というのを、同性の場合は一体、どのように一言で、どのようにニュアンスごと表せばいいのか、蓮本には分からなかったが、とにかく恋や愛や結婚にまつわることで異性同士に起きても難し

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