増刊|コミック無責任&文芸たぶん

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ノート

ひとふで小説|9-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[IX]

前章:[I]〜[収録マガジン]

IX

「ヴァンダレ様、いかがなご様子ですか?落ち着いて眠れそうですか?それとも、何か食べられますか?」
 雪棉糸を平織りした大きな浴紗で体を拭いながらターレデが尋ねると、寝間着に袖を通しながらヴァンダレは答えた。少し迷ったようだったが、正直に。
「…穏やかでない一日を送ってしまったせいか、きつい眠気が訪れたとき無理に逃がしてしまったせいか、体がなかなか眠たがらな

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ひとふで小説|7-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VII]

前章:[I]〜[収録マガジン]

VII

 心底、徹底して食を愉しむ主義なのか、或いは、単に口に合う食べ物が嬉しいのか。それとも、せっかく作ったターレデへの持て成しなのか、真意は分からなかったが、ヴァンダレの、どんなに真面目に話していても菓子を咀嚼するまでの間だけは顔が緩むところを、ターレデは既にひどく気に入っていた。
 また一つ、ターレデが作った菓子を口にほうったヴァンダレは、小麦酒を含んでか

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ひとふで小説|4-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[IV]

前章:[I]〜[収録マガジン]

IV

「ヴァンダレ様は、どうして魔族を斃せるの?」
 夕闇の奥で黙々と、無垢な亡骸のための火葬と墓につかう穴を掘りながら、シオは尋ねた。
 胸の奥にくすぶる願いとヴァンダレに聞きたいことの本当の意味は「何故あなたは人魔を斃せるか」ではなかったが、シオはまだ己が何を求めて問い掛けたのか自覚的ではなかった。
 ターレデは穴掘りを手伝いながら黙って聞いている。
 ヴァ

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ひとふで小説|3-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[III]

前章:[I][II]〜[収録マガジン]

III

 湯の波打つ音の合間を縫って遠くから人のざわめきが聞こえる気がしたかと思うと、母屋の戸が開く音がする。なんとも不躾な、宿屋の主人だろうか。考える間も無いうちに湯場に繋がる裏口の扉が開くと、勢いよく入ってきたのは従妹のシオだった。
「ターレデ!ターレデ、助けて!」
 足を縺れさせながら駆け込んできたシオは一瞬だけヴァンダレの存在に怯んだが、そこから

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