マガジンのカバー画像

増刊|コミック無責任&文芸たぶん

53
【増刊 文芸たぶん】は勢いで書いた「ひとふで小説」と定期連載化できない物語調の書き物を収録しています。仕事コラムなどのルポ系読み物は他のマガジンにまとまっています。 【増刊 コミ… もっと読む
運営しているクリエイター

#野宿

ひとふで小説|7-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VII]

前章:[I]〜[収録マガジン] VII 心底、徹底して食を愉しむ主義なのか、或いは、単に口に合う食べ物が嬉しいのか。それとも、せっかく作ったターレデへの持て成しなのか、真意は分からなかったが、ヴァンダレの、どんなに真面目に話していても菓子を咀嚼するまでの間だけは顔が緩むところを、ターレデは既にひどく気に入っていた。  また一つ、ターレデが作った菓子を口にほうったヴァンダレは、小麦酒を含んでから説明を続ける。 「…ところで、剣門を創った者のことを、剣の道では“士祖”と言います

スキ
8

ひとふで小説|6-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VI]

前章:[I]〜[収録マガジン] VI ふと、サラは改まって礼を述べていないことを思い出し、ヴァンダレに深々と頭を下げ、村長に褒賞を出すよう進言したことを報告した。背後の炎が自分の影をヴァンダレに落としてしまい表情はよく見えなかったが、ヴァンダレは気さくな語り口で謙遜した。 「勝てたから、お礼を言って頂ける立場にあるだけです。負けていたら、皆さんを危ない目に遭わせてしまうところでした。礼には及びませんよ。剣を持つ者がやらねば誰がやるのです、当然のことをしたまでですから…。あな

スキ
12