増刊|コミック無責任&文芸たぶん

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ノート

ひとふで小説|7-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VII]

前章:[I]〜[収録マガジン]

VII

 心底、徹底して食を愉しむ主義なのか、或いは、単に口に合う食べ物が嬉しいのか。それとも、せっかく作ったターレデへの持て成しなのか、真意は分からなかったが、ヴァンダレの、どんなに真面目に話していても菓子を咀嚼するまでの間だけは顔が緩むところを、ターレデは既にひどく気に入っていた。
 また一つ、ターレデが作った菓子を口にほうったヴァンダレは、小麦酒を含んでか

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犬の一生(7)

第7ワン
「犬の足音」

●今回の犬● どま クロワッサンパン(オス)
とろふわな肌触りのシバイヌ。ソウルフードは四角い缶に詰まっている野菜とお肉が混ざったテリーヌみたいなもの。

*この漫画は、犬と暮らした時に溜まったエピソードを元にしたフィクション作品です。

次のおはなし

■保護犬関連のノート

保護犬・保護猫に関する原稿提供の支援をたびたび依頼されますが、応え切れないので、みなさんが支援

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ひとふで小説|レンガイケッコン(7)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン)

(7)

「わぁ…!!!!…か、管理人さん…。ごめんなさい、居ると思ってなかったから、びっくりしちゃいました。こんにちは!」
 思わず驚いた声を上げてしまった非礼を蓮本が詫びると、東之は、
「いいええ。こんにちは」
 と柔らかく微笑みながら軽く会釈して、すぐにそのまま清掃作業に戻った。真面目だと思う。
(管理人さん、偉いな。私なら立ち話を始めてしまう

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ひとふで小説|6-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VI]

前章:[I]〜[収録マガジン]

VI

 ふと、サラは改まって礼を述べていないことを思い出し、ヴァンダレに深々と頭を下げ、村長に褒賞を出すよう進言したことを報告した。背後の炎が自分の影をヴァンダレに落としてしまい表情はよく見えなかったが、ヴァンダレは気さくな語り口で謙遜した。
「勝てたから、お礼を言って頂ける立場にあるだけです。負けていたら、皆さんを危ない目に遭わせてしまうところでした。礼には及

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犬の一生(6)

第6ワン
「そこからは出せません」

●今回の犬● みなもと タタンタ(メス)
大人になったら多分中型になる甲斐犬の雑種。ソウルフードは丸のような四角のような小粒のカリカリ。

*この漫画は、犬と暮らした時に溜まったエピソードを元にしたフィクション作品です。

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■保護犬関連のノート

保護犬・保護猫に関する原稿提供の支援をたびたび依頼されますが、応え切れないので、みなさんが支援グッ

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ひとふで小説|レンガイケッコン(6)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン)

(6)

 世界を真っ二つに分けたとして、蓮本は虫が平気な人材側の所属であることを自負している。
 あらゆる種類のムシが平気というわけではないし、興味や可愛いげを感じて愛でることもないが、それでも何の気無しに飼育できた程度には平気だ。

 カブトムシ各種、クワガタムシ各種、テントウムシ各種、トンボ各種は幼少期に採集した成り行きで飼ったことがある。尤も

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ひとふで小説|5-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[V]

前章:[I]〜[収録マガジン]

V

 櫓の火が足元を照らしてくれるようになったので、三人は交代で安全な草叢に入り、用を足した。ヴァンダレは平気だったが、シオとターレデは闇夜に慣れず、人魔が現れて間もない村の周りの木立ちも恐ろしく感じられ、尿意を催してもなかなか言い出せずにいたのだ。人が居る、明るい場所では恥ずかしい。しかし、誰も居ない暗がりで済ますには恐ろしい。だから、炎がちょうど足元を照らし

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犬の一生(5)

第5ワン
「おでむかえ」

●今回の犬● みやもり ボス(メス)
そのうちきっと大型になる子犬。秋田犬の雑種。ソウルフードは四角い子犬用のカリカリ。

*この漫画は、犬と暮らした時に溜まったエピソードを元にしたフィクション作品です。

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■保護犬関連のノート

保護犬・保護猫に関する原稿提供の支援をたびたび依頼されますが、応え切れないので、みなさんが支援グッズを自力で作れるように、有

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ひとふで小説|レンガイケッコン(5)

これまでのお話:(第1話)〜(収録マガジン)

(5)

 自分に対してさえ『恋外結婚』を明確に定義づけることはできていなかったが、とにかく蓮本は、どうにか東之と親しくなれないかを考え続けている。
 惰性で飲み続けた紅茶はもう三杯目、悩んでいる時の蓮本はいつもこうだった。1箱100杯299円。計算上は1杯約3円になるはずだが、同じティーバッグで淹れ続けたので紅茶の外箱に書かれた売り文句の計算は既に

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ひとふで小説|4-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[IV]

前章:[I]〜[収録マガジン]

IV

「ヴァンダレ様は、どうして魔族を斃せるの?」
 夕闇の奥で黙々と、無垢な亡骸のための火葬と墓につかう穴を掘りながら、シオは尋ねた。
 胸の奥にくすぶる願いとヴァンダレに聞きたいことの本当の意味は「何故あなたは人魔を斃せるか」ではなかったが、シオはまだ己が何を求めて問い掛けたのか自覚的ではなかった。
 ターレデは穴掘りを手伝いながら黙って聞いている。
 ヴァ

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